
「うちの子、もしかして感覚過敏かも?」
そう感じて、ネットで「感覚過敏 チェックリスト 子供」と検索した経験はありませんか?
はじめまして、「あざらし先輩」です。30代後半の会社員で、ADHD/ASDの傾向がある年長息子の父親です。来年4月の小学校入学に向けて、療育や就学相談を進めている真っ最中です。
この記事では、私が「感覚過敏・鈍麻セルフチェックリスト」を自作することにした理由と、その過程で学んだことを綴ります。
この記事でわかること
- なぜ父親が感覚過敏のチェックリストを自作したのか
- 感覚特性を「6領域」で整理する考え方
- OTの先生から教わった「過敏」「鈍麻」「感覚探求」の違い
- セルフチェックを使うときに気をつけてほしいこと
正直に言うと、うちの息子は感覚過敏ではない
最初に、誠実にお伝えしておきたいことがあります。
うちの息子は、感覚過敏や感覚鈍麻の傾向が顕著にあるわけではありません。掃除機の音を怖がることもないし、服のタグを嫌がることもない。偏食はあるけれど、それは「感覚の問題」というより「好き嫌いの範囲」だと、療育の先生にも言われています。
では、なぜ父親である私が、感覚過敏・鈍麻のチェックリストをわざわざ作ったのか。
それは、療育の場で出会った他の親御さんたちから、こんな声を聞いたからです。
「うちの子、音にすごく敏感で。でも、ADHDのチェックリストはあるのに、感覚のチェックって全然見つからないんです」
「服のタグを嫌がるのは聞いたことあるけど、それが『感覚過敏』っていう括りだって、療育に通うまで知らなかった」
「『鈍麻』って言葉、初めて聞きました。痛みに気づきにくいのも特性のうちなんですね」
調べてみると、確かにADHDやASDのセルフチェックは多数あるのに、感覚特性に特化したチェックリストはほとんど見当たらない。あったとしても、領域別に整理されたものは少なく、「過敏」のみ扱っていて「鈍麻」が抜けているものがほとんどでした。
「自分の子にはなくても、同じ療育施設に通う親御さんたちが必要としているなら、作る価値があるんじゃないか」
そう考えたのが、ツール開発のきっかけです。
OTの先生に教わった「3つの感覚特性」
ツールを作るにあたって、息子の療育を担当してくれている作業療法士(OT)の先生に、感覚特性について教えてもらいました。
そこで初めて知ったのが、感覚特性には「過敏」「鈍麻」「感覚探求」の3つの方向性があるということ。
感覚過敏(hypersensitivity)
刺激に対して、人より強く反応してしまう状態。
例:掃除機の音で耳をふさぐ、蛍光灯がまぶしくて頭痛がする、服のタグが痛くて着られない。
感覚鈍麻(hyposensitivity)
刺激に対して、反応が薄い・気づきにくい状態。
例:転んでも痛がらない、声をかけても気づかない、暑さ寒さに無頓着。
感覚探求(sensory seeking)
特定の刺激を強く求める状態。
例:ぐるぐる回り続ける、強く抱きしめられるのを好む、特定の感触のものを触り続ける。
OTの先生に言われて、特に印象に残ったのはこの言葉でした。
「同じ子の中に、過敏な感覚と鈍麻な感覚が同居していることも、よくありますよ。音には敏感なのに、ぶつけても痛がらない。これは矛盾じゃなくて、感覚処理のあり方なんです」
この話を聞いて、「感覚特性を一方向だけで見てはいけない」と腑に落ちました。「過敏か、そうじゃないか」の二択ではなく、6つの感覚それぞれに、3つの方向性がある。これがチェックリストを作るときの設計思想になりました。
なぜ「6領域」に分けたのか
感覚と一言で言っても、人間が処理している感覚は実は6つに分けられます。
- 聴覚(音への感受性)
- 視覚(光・視覚情報への感受性)
- 触覚(肌触り・接触への感受性)
- 嗅覚・味覚(匂い・味・食感への感受性)
- 前庭覚(揺れ・バランスの感覚)
- 固有覚(力加減・姿勢の感覚)
最初の4つは学校で習うので馴染みがあると思います。問題は後ろの2つ「前庭覚」と「固有覚」。これ、私も療育に通うまで聞いたことがありませんでした。
でも、療育の場で「うちの子、姿勢がすぐ崩れるんです」「乗り物酔いがひどくて」「力加減ができなくて、お友達を強く押しちゃう」という相談をよく耳にします。これらは全部、前庭覚や固有覚の処理に関連する話なんですね。
「気になる行動が、感覚処理のどこに関わっているのか」が見えると、対応の糸口も見えてきます。だからこそ、6領域すべてをチェックできるツールが必要だと考えました。
DSM-5を参考にした理由
セルフチェックの質問項目を作るとき、参考にしたのがDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)です。
DSM-5では、自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準の一つとして「感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味」が挙げられています。つまり、感覚特性は専門家の世界では明確に「特性の一部」として認識されているんです。
とはいえ、私は医師でも専門家でもありません。あくまで「気づきのきっかけ」としてのツールとして、DSM-5の考え方をベースに、家庭で観察できる具体的な行動に翻訳した質問42問を作りました。
例えば、こんな感じです:
- 大きな音(掃除機、ドライヤーなど)を極端に怖がる(聴覚・過敏)
- ぶつかったり転んだりしても、痛がらないことが多い(固有覚・鈍麻)
- ぐるぐる回ることや強い揺れを好む(前庭覚・探求)
家庭での日常場面を思い浮かべながら、保護者が答えられる形に整理しています。
セルフチェックを使うときに気をつけてほしいこと
このツールを使ってもらう前に、どうしても伝えたいことがあります。
① あくまで「気づき」のためのツールです
セルフチェックの結果は、医療診断ではありません。「うちの子、もしかして?」と感じたときの、最初の一歩としての気づきを得るためのものです。気になる結果が出たら、必ず専門家(保健センター、療育施設、児童精神科など)に相談してください。
② 「感覚過敏かどうか」は二択ではない
OTの先生の言葉の通り、同じお子さんの中に過敏な感覚と鈍麻な感覚が混在することはよくあります。「過敏度何点」という総合スコアではなく、「どの感覚に、どんな傾向があるか」を見る使い方をしてもらえると嬉しいです。
③ 結果に振り回されないでください
「過敏あり」と出ても、それだけで何かが「悪い」わけではありません。感覚特性は、お子さんの個性の一部です。大切なのは、「特性に合った環境を整えること」。チェックの結果を、お子さんを理解する手がかりとして使ってもらえたら、ツールを作った意味があります。
よくある質問
感覚過敏は治るんですか?
感覚過敏や鈍麻は、「治療して消す」ものというより、「うまく付き合う」ものという考え方が一般的です。OTの先生に聞いた話では、感覚統合療法などのアプローチで、刺激への耐性が広がっていくケースもあるそうです。ただし、個人差が大きいので、必ず専門家にご相談ください。
診断がない子でも感覚特性ってあるんですか?
はい、あります。感覚特性は、発達障害の診断がない子にも見られるものです。「グレーゾーン」と呼ばれるお子さんや、定型発達のお子さんでも、特定の感覚に敏感さや鈍さを持つことは珍しくありません。診断の有無にかかわらず、お子さんが日常で困っているなら、対応を考える価値があります。
うちの子に合うのか不安です
ツールは無料で何度でも使えます。質問は年齢帯(幼児・小学校低学年・高学年〜中学生)に分かれているので、お子さまの発達段階に合った質問が表示されます。回答内容は外部に送信されず、ブラウザ内で処理されるので、安心してお使いください。
まとめ
感覚過敏・鈍麻のセルフチェックリストを父親が自作した理由をまとめると、以下の通りです。
- 療育で出会った親御さんたちから「感覚のチェックリストが見つからない」という声を聞いたから
- OTの先生に教わって、感覚特性には「過敏」「鈍麻」「感覚探求」の3方向があると知ったから
- 「過敏か、そうじゃないか」の二択ではなく、6領域それぞれの傾向を見ることが大事だと思ったから
専門家ではない、いち父親が作ったツールです。それでも、「うちの子、もしかして?」と感じている方が、最初の一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
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