感覚過敏ってどういうこと?食感が苦手な子どもの話【父親の体験談】

豆腐のお皿を見て困り顔の親あざらしと、顔を背ける子どもあざらし 発達特性を知る

「また吐き出した……どうして食べてくれないんだろう」

うちの子が豆腐や茶碗蒸しを口に入れてすぐ出してしまうのを見て、最初は「好き嫌いが激しい子だな」と思っていました。でもそれが「わがまま」じゃなくて、感覚の特性だったと知ったのは、療育に通い始めてからのことです。

この記事では、我が家の食感をめぐる体験と、感覚過敏について親として理解してきたことを書いています。

私について

ADHD/ASDと診断された5歳の子どもを育てている父親です。専門医への相談、田中ビネー知能検査、週3回の民間療育への通所など、いろいろな経験をしてきました。このブログでは、専門家としてではなく、実際に迷いながら進んできた父親として書いています。

この記事でわかること

  • 感覚過敏(食感)がどんなふうに現れるか、我が家の体験
  • なぜ感覚が過敏になるのか、特性としての背景
  • 親として「無理に食べさせる」をやめるまでの気持ちの変化

うちの子が苦手だったもの

我が家の子が特に苦手にしていたのは、食感の両極でした。

やわらかすぎるもの——豆腐、茶碗蒸し、プリンのようなぷるぷる・とろとろした食感。口に入れた瞬間に吐き出してしまうことが多くありました。

かたすぎるもの——これも同じくNGで、噛み切れないものや食感が強すぎるものも嫌がりました。

「苦手なの?」と聞くと「うん、苦手」と答えてくれて、さらに話を聞いていくと「触感が嫌なんだ」ということが言葉で伝わってきました。当時3〜4歳だったこともあって、言葉でそこまで教えてくれたのは、今振り返ると貴重だったなと思います。

感覚過敏ってなに?特性の背景

感覚過敏とは、一般的な人よりも感覚への反応が強く出る状態のことです。ADHD/ASDの子どもに多く見られるといわれています。

音、光、においなど様々な感覚に現れることがありますが、食感もそのひとつ。「おいしい・まずい」の問題ではなく、触れること自体が苦痛になっているイメージです。

脳が感覚情報を処理するときの「フィルター」が、定型発達の子とは少し違う設定になっている——そんなふうに説明してもらったことがあって、私には一番しっくりきました。

「なぜうちの子はこんな行動をするんだろう?」と感じたとき、特性という視点で見ると見え方が変わることがあります。以前書いた記事も参考になるかもしれません。

子どもの行動には意味がある?説明後に父親の見方が変わった話

うまくいかなかったこと:「食べれば慣れる」は通じなかった

正直、最初は「少しずつ食べさせれば慣れていくんじゃないか」と思っていました。親として栄養バランスも気になりますし、食べてほしいという気持ちは今でもあります。

でも無理に食卓に出すと、その日の食事全体の雰囲気が悪くなってしまうことが多くて。子どもも食事の場が「嫌なもの」になっていくような感じがして、続けるのをやめました。

今振り返ると、離乳食のときから好き嫌いが多かったなとも思います。当時は「食べムラがある子だな」くらいにしか思っていなかったのですが、食感への敏感さはかなり早い段階からあったのかもしれません。

(ちなみに、下の子は何でも食べます。同じ親・同じ食卓でこんなに違うのか、と今でも少し笑えます)

うまくいったこと:無理に出さない、を決めた

療育の先生に相談したときに言われたのが、「苦手なものを無理に食べさせることで、食事そのものが嫌いになってしまうことがある」という話でした。

それを聞いてから、我が家では苦手な食感のものは無理に出さない方針にしました。

豆腐が食べられなくても、他のたんぱく質で補えばいい。茶碗蒸しは出さなくても、卵は他の調理法なら食べられる。そう割り切ったら、食事の時間がずいぶんおだやかになりました。

外食のときも、メニュー選びで意識するようになりました。食感が予測しにくいメニューや、混ぜ込まれた素材が多いものは避けるようにしています。外食での工夫については、こちらの記事にも書いています。

ADHD/ASDの子どもと外食するときに意識していること【父親の体験談】

今の考え方

感覚過敏は「わがまま」でも「親のしつけのせい」でもないと思っています。子どもにとっては、本当に不快な感覚として体に届いているはずで、それを無理に乗り越えさせることが必ずしも良いとは限らないと、今は感じています。

もちろん、将来的には色々な食感に慣れていってほしいという気持ちもあります。でも今はまず、食事の時間を「安心できる場」にしておくことの方が大切かな、と思っています。

親あざらしと子どもあざらしが一緒においしそうなごはんを食べているシーン

よくある質問

感覚過敏は治りますか?

個人差があります。療育や成長の中で少しずつ慣れていく子もいますし、苦手なものが変わることもあると聞いています。「治す」というより「対応できる範囲を広げていく」イメージで関わっている方が多いようです。我が家も焦らず見ています。

食感以外の感覚過敏もありますか?

あります。音・光・においなど様々な感覚に現れることがあります。我が家では今のところ食感が一番顕著ですが、お子さんによって出方は異なります。「なんとなく嫌がる場面」を観察しておくと、気づきのきっかけになるかもしれません。

専門家に相談するべきですか?

食べられるものが極端に少ない、体重が増えないなど心配なことがあれば、小児科や発達相談窓口に一度聞いてみるのが安心だと思います。相談の流れについては、こちらの記事も参考にどうぞ。

子どもの発達が気になったらどうする?最初の相談先と父親の体験談

まとめ

感覚過敏は、目に見えにくい特性のひとつです。「食べない=わがまま」と思っていた時期もありましたが、子ども自身が「触感が嫌」と教えてくれたことで、少しずつ見え方が変わってきました。

無理に食べさせるのをやめてから、食事の雰囲気はずいぶん変わりました。完璧じゃなくていい。今食べられるもので、今日も一緒においしく食べられたらそれでいいと、今は思っています。

同じように悩んでいる方の、少しでもヒントになればうれしいです。

この記事を書いた人
あざらし先輩

30代後半・会社員パパ。ADHD/ASD特性を持つ5歳の子と奮闘中。専門医への相談・知能検査・週3の療育通所など、診断から支援まで経験してきた「ちょっと先を歩く先輩」として、同じ悩みを持つ親にリアルな情報を届けます。

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