好きなことは集中するのに——過集中って特性なの?【ADHD父親の体験談】

タブレットに夢中で呼びかけが全く届かない子どもあざらしと、困り顔で声をかける親あざらし 発達特性を知る

「さっきまで全然集中できてなかったのに、タブレットになった途端……」

呼んでも返事がない。ごはんの時間になっても動かない。トイレも後回し。完全に別の世界に入り込んでいる——

不注意で困っていた子が、好きなことだけはびっくりするほど集中する。最初は「なんで好きなことだけ?」と戸惑いましたが、これも特性のひとつだと知ってから、見え方が変わりました。

この記事では、過集中とはどういう状態か、我が家での体験と、特性として理解してきたことを書いています。

私について

ADHD/ASDと診断された5歳の子どもを育てている父親です。専門医への相談、田中ビネー知能検査、週3回の民間療育への通所など、いろいろな経験をしてきました。このブログでは、専門家としてではなく、実際に迷いながら進んできた父親として書いています。

この記事でわかること

  • 過集中とはどういう状態か、我が家の体験
  • 不注意と過集中が「同じ特性の表と裏」である理由
  • 終わらせるのが大変だった我が家の工夫

我が家の過集中、2つの場面

① タブレット・動画に入り込むと、完全に別世界

タブレットや動画を見始めると、名前を呼んでも全く反応しません。目の前に立っても気づかないことがあるくらい、完全に入り込んでいる状態になります。

ごはんの時間になっても動かない。トイレに行きたそうなのに、それすら後回しにして画面から離れられない。こちらはだんだん焦ってくるのですが、本人は全く気にしていない様子でした。

② 図鑑・本・特定のキャラクターへの集中

タブレット以外でも、気に入った図鑑やキャラクターに関することになると、同じように深く入り込みます。好きなキャラクターの話になると、こちらが疲れるくらい延々と話し続ける——そういう場面もありました。

「なんで好きなことだけ?」——不注意との落差に戸惑った

正直なところ、最初は腑に落ちませんでした。着替えや片付けは全く集中できないのに、タブレットになった途端にあれだけ集中できる——「やればできるじゃないか」と思った時期もありました。

でも療育や専門医への相談を通じて理解したのは、ADHDの注意特性は「注意のコントロールが難しい」状態だということです。好きなことへの過集中と、興味が向かないことへの不注意は、コントロールが効きにくいという同じ特性の表と裏

「やる気があるかないか」の問題ではなく、注意が向いたときのアクセルが強すぎて、ブレーキが効きにくいイメージだと説明してもらって、すっと理解できた気がしました。

不注意の特性については、こちらの記事にも詳しく書いています。

不注意と「やる気がない」はちがう——ADHDの注意特性について父親が考えたこと

うまくいかなかったこと

「もうやめなさい」と突然終わらせようとすると、毎回大きく崩れていました。過集中の状態から急に引き戻されることが、子どもにとってはかなりつらいようです。

こちらも毎回「終わりにして」から始まる攻防に疲弊していた時期があります。終わらせることへの抵抗が強くて、そこだけで親子ともにエネルギーを消耗していました。

うまくいったこと:終わりを「前もって」伝える

一番効果があったのは、終わりを突然伝えるのではなく、前もって予告することです。

「あと5分で終わりにしようね」と先に言っておく。タイマーをセットして、残り時間が目で見えるようにする。こうするだけで、終わりへの抵抗がずいぶん和らぎました。

また、使える時間をあらかじめルールとして決めておくことも効いています。「今日は○分ね」と始める前に伝えておくと、終わりを受け入れやすくなりました。突然終わらせるより、見通しが持てている方がスムーズなんだと改めて感じています。

見通しを持てることの大切さは、こちらの記事にも書いています。

「見通しが持てない」と子どもが崩れる理由【ADHD/ASD父親の体験談】

タイマーを見せながら穏やかに終わりを伝える親あざらしと、納得した様子の子どもあざらし

今の考え方

過集中は、見方を変えると「何かにとことん向き合える力」でもあります。好きなことへの集中力は、将来どこかで強みになることもあると、療育の先生に言ってもらったことがあります。

今は「過集中をなくす」より、終わりのルールを作って安全に使いこなす方向で関わっています。困る場面は減ってきましたし、本人も楽しんでいる時間は大切にしてあげたいと思っています。

タブレットへの集中力が強いなら、その力を学習にも向けられないかと考えるようになりました。発達障害のお子さんにも使いやすいと口コミで見かけたスマイルゼミは、就学前の今のタイミングで気になっているサービスのひとつです。タブレット1台で学習が完結するので、切り替えの練習にもなるかもしれないと思っています。

気になる方は公式サイトで詳細を確認してみてください。

よくある質問

過集中は直した方がいいですか?

「直す」より「うまく付き合う」方向で考えるのがいいと思っています。日常生活に支障が出る部分(食事・睡眠・安全)だけルールを作って、それ以外は本人が楽しめる時間として大切にするバランスが、我が家には合っていました。

過集中中に食事やトイレを促すにはどうすればいいですか?

突然声をかけても届きにくいので、タイマーや予告を使って「終わりの見通し」を作ることが有効だと感じています。また、トイレについては時間を決めて声かけするルーティンを作ると改善しやすいと聞きました。

過集中と不注意は関係があるのですか?

同じ特性の表と裏だと理解しています。「注意のコントロールが難しい」という特性が、興味があるものへの過集中と、興味が向かないものへの不注意の両方として現れる、というイメージです。詳しくはこちらの記事もどうぞ。

不注意と「やる気がない」はちがう——ADHDの注意特性について父親が考えたこと

まとめ

「なんで好きなことだけ集中できるの?」という戸惑いは、不注意と過集中が同じ特性の表と裏だと知ってから、少し解けました。終わらせるのに毎回消耗していた頃より、タイマーと予告を使うようになってからずいぶん楽になりました。

好きなことにとことん向き合える力は、その子の強みにもなりうると思っています。うまく付き合いながら、今日も一緒にやっています。同じように悩んでいる方の、少しでもヒントになればうれしいです。

この記事を書いた人
あざらし先輩

30代後半・会社員パパ。ADHD/ASD特性を持つ5歳の子と奮闘中。専門医への相談・知能検査・週3の療育通所など、診断から支援まで経験してきた「ちょっと先を歩く先輩」として、同じ悩みを持つ親にリアルな情報を届けます。

あざらし先輩をフォローする
発達特性を知る
あざらし先輩をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました