「あとどのくらい?」「まだ?」——同じ質問を何度も繰り返してくる。予定が少し変わっただけで大泣き。遊びを切り上げようとすると怒り出す。
最初は「もう少し待てないのかな」と思っていました。でもそれが「わがまま」じゃなく、見通しが持てないことへの不安から来ていると分かってから、見え方がずいぶん変わりました。
この記事では、我が家で起きていた具体的な場面と、「見通し」という特性について、父親として理解してきたことを書いています。
私について
ADHD/ASDと診断された5歳の子どもを育てている父親です。専門医への相談、田中ビネー知能検査、週3回の民間療育への通所など、いろいろな経験をしてきました。このブログでは、専門家としてではなく、実際に迷いながら進んできた父親として書いています。
この記事でわかること
- 「見通しが持てない」とはどういう状態か、我が家の体験
- なぜ見通しがないと崩れるのか、特性としての背景
- タイマー・数で伝えるなど、実際に効果があった対応
我が家で起きていた3つの場面
「見通しが持てない」ことで崩れる場面は、大きく3つのパターンがありました。
① 予定が突然変わったとき
行くはずだった場所がキャンセルになったり、急に予定が変わったりすると、一気にスイッチが入ります。「なんで?」「行くって言ったじゃん」と繰り返し、なかなか切り替えられない。
こちらとしては「仕方ない事情があって…」と説明しているつもりなのですが、そもそも話を聞ける状態じゃないんですよね。夢中になって聞かない、怒りが先に来る。当時は正直、こっちも疲弊していました。
② 「あとどのくらい?」が止まらないとき
次の行動がいつ始まるか分からない状況も苦手です。「あとどのくらいで着く?」「ごはんまであと何分?」を何度も繰り返し聞いてくる。
「もうすぐだよ」と答えても、1分後にまた同じ質問が来る。子どもにとっては「もうすぐ」が具体的に見えないから、何度聞いても不安が解消されないんだと、後から気づきました。
③ 遊びの終わりが分からないとき
まだやりたいのに時間切れになる場面も、崩れやすいポイントです。「もう終わりだよ」と声をかけると怒り出す。「あと少しだけ」が通じない。
切り替えの難しさについては以前も書いているのですが、その根っこに「終わりがいつ来るか分からない」という不安があったんだと、今は思っています。
→ ADHD/ASDの子どもとの切り替えで意識していること【父親の体験談】

なぜ見通しがないと崩れるのか
療育の先生に教えてもらったのですが、ADHD/ASDの子どもの中には、「次に何が起きるか」が見えないことで、強い不安を感じやすい子がいるそうです。
定型発達の子どもでも「予定が変わると嫌」という気持ちはあると思います。でも特性がある子にとっては、その不安の強さが段違いで、パニックに近い状態になることもあるとのこと。
「わがまま」や「こだわりが強い」と見えていた行動が、実は不安への反応だったと考えると、対応の方向性もガラッと変わる気がします。子どもの行動の背景にある意味については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 子どもの行動には意味がある?説明後に父親の見方が変わった話
うまくいかなかったこと
最初は「その場で説明すれば分かってくれるはず」と思っていました。でも崩れているときに言葉で説明しても、なかなか届かない。
「もうすぐだよ」「ちょっと待って」といった曖昧な言葉も、子どもには全然伝わっていませんでした。大人には当たり前に使う表現でも、「どのくらい?」が具体的に見えない子には、ほとんど情報になっていなかったんだと思います。
うまくいったこと:「見える化」と「数で伝える」
試行錯誤の中でいくつか効果があったことがあります。
予定を事前に詳しく伝える——「今日は○○に行って、そのあとごはんを食べて帰るよ」と、出発前に流れを話すようにしました。当日いきなり伝えるより、崩れる場面が減った気がします。
タイマーで時間を見える化する——「あと5分」と口で言うだけでなく、タイマーをセットして「針がここまで来たら終わり」と目で見えるようにしました。これが一番効果を感じました。「あとどのくらい?」の繰り返しがずいぶん減りました。
「あと〇回やったら終わり」と数で伝える——時間の感覚よりも「回数」の方が分かりやすいことがあります。「あと3回滑り台やったらおしまいね」と伝えると、スムーズに切り替えられることが増えました。
療育で「見通し」の練習——療育でも同じようなアプローチをしてもらっています。「まず○○して、次に○○する」という流れを繰り返し練習することで、少しずつ見通しを持つ力がついてきているようです。

今の考え方
「見通しが持てない」という特性は、対応次第でずいぶん日常が変わると感じています。魔法みたいな解決策があるわけではないけれど、「伝え方を変える」だけでも、親子ともに穏やかになれる場面は増えると思っています。
まだ模索中のこともありますし、うまくいかない日もあります。でも「この子はなぜ崩れるのか」が少しでも分かると、こちらの気持ちも変わってくるなと感じています。
よくある質問
見通しを持たせるのに、おすすめのツールはありますか?
我が家ではキッチンタイマーや、残り時間が視覚的に分かるタイマーを使っています。市販のもので十分機能しますし、療育の先生に相談すると具体的な道具を教えてもらえることもあります。
予定変更への対応は、成長とともに楽になりますか?
個人差があるようですが、見通しを持つ練習を積んでいくことで、少しずつ柔軟になっていく子も多いと聞いています。今は「崩れても仕方ない場面」と「準備できる場面」を分けて考えるようにしています。
崩れてしまったときはどう対応すればいいですか?
まず安全を確保して、落ち着くのを待つのが基本だと教わりました。崩れているときに言葉で説明しようとしても届きにくいので、落ち着いてから話す方がうまくいくことが多いです。相談の流れについてはこちらも参考にどうぞ。
→ 子どもの発達が気になったらどうする?最初の相談先と父親の体験談
まとめ
「見通しが持てない」は、目には見えにくい特性のひとつです。怒りっぽい、こだわりが強い、と見えていた行動の裏に、先が見えないことへの不安があると知ってから、我が家の対応は少し変わりました。
タイマーや数で伝えるといった工夫は、試してみる価値があると思います。完璧に崩れなくなるわけではないけれど、親子どちらにとっても、少しだけ楽な毎日につながるかもしれません。
同じように悩んでいる方の、何かヒントになればうれしいです。


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