「また始まった……どうしてこんな小さなことで」
一度怒りのスイッチが入ると、話しかけても全く届かない。気持ちが切り替わるまでに長い時間がかかる。特に疲れているときは、ちょっとしたきっかけで火がついてしまう——
これは「癇癪がひどい子」なのか、それとも感情のコントロールに特性があるのか。その違いを理解するまでに、少し時間がかかりました。
この記事では、我が家での怒り・感情爆発の体験と、「感情調節の難しさ」という特性について、父親として理解してきたことを書いています。
私について
ADHD/ASDと診断された5歳の子どもを育てている父親です。専門医への相談、田中ビネー知能検査、週3回の民間療育への通所など、いろいろな経験をしてきました。このブログでは、専門家としてではなく、実際に迷いながら進んできた父親として書いています。
この記事でわかること
- 「癇癪」と「感情調節の難しさ」は何が違うのか
- 怒りが長引く・話が届かない、我が家の体験
- 声かけを工夫してから変わってきたこと
我が家で感じてきた2つのパターン
① 一度怒りのスイッチが入ると、話が全く届かない
怒りが爆発すると、こちらが何を言っても耳に入らない状態になります。「落ち着いて」「大丈夫だよ」と声をかけても、火に油を注ぐようにヒートアップしてしまうことも。
最初は「なんで話を聞かないんだろう」と思っていたのですが、あの状態では本当に言葉が届いていないんだと、後から理解しました。怒りで頭がいっぱいになっているとき、言葉による説得はほとんど効かないようです。
② 気持ちの切り替えに長い時間がかかる
怒りが収まるまでに、長いときで30分以上かかることもありました。こちらはとっくに「もう終わったこと」として次に進みたいのに、子どもはまだ引きずっている。
特に疲れているとき——保育園から帰ってきた夕方や、外出が長かった日の帰り道——は、ちょっとしたきっかけで怒りのスイッチが入りやすいと感じています。体が限界に近いとき、感情のコントロールがさらに難しくなるようです。

「癇癪」と「感情調節の難しさ」はどう違うのか
「癇癪」という言葉は、子どもが感情を爆発させる行動全般を指すことが多いですが、ADHD/ASDの子どもの場合は、脳の特性として感情のコントロールそのものが難しい場合があります。
定型発達の子どもでも「癇癪」は起きます。ただ、特性がある子どもの場合、感情の「ブレーキ」がかかりにくかったり、一度高まった感情が下がりにくかったりする傾向があるようです。
つまり、「わがままで怒っている」のではなく、「感情の波を自分でコントロールすることが難しい」状態——そう理解すると、対応の方向が少し変わってきます。
子どもの行動の背景にある意味については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 子どもの行動には意味がある?説明後に父親の見方が変わった話
うまくいかなかったこと
怒りが爆発しているときに「なんで怒ってるの?」「落ち着きなさい」と声をかけても、全く効果がありませんでした。むしろ余計に激しくなることも。
こちらも疲れているときに子どもの怒りが続くと、親のほうも感情的になってしまって、後から「あの言い方はよくなかったな」と反省することが何度もありました。
うまくいったこと:声かけのタイミングと言葉を変えた
一番変わったのは、怒りのピーク中は声かけをやめることにしたことです。
嵐が来たら、嵐が過ぎるのを待つ——そのイメージで、安全を確認したうえで少し距離を置いて待つようにしました。話しかけるのは、波が引いてきてから。
波が引いてきたタイミングで使うようにした言葉が、「そっか、嫌だったんだね」という一言です。何かを説明したり諭したりするより、まず気持ちを受け取ることを意識するようにしました。それだけで、その後の切り替えが少しスムーズになる場面が増えた気がしています。
また、疲れているときに崩れやすいと分かってからは、夕方の予定を詰め込まないようにも意識しています。帰宅後すぐに何かをお願いするより、少し休ませてからの方が、全体的に穏やかになりました。
見通しを伝えることで崩れる場面が減ることもあります。こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 「見通しが持てない」と子どもが崩れる理由【ADHD/ASD父親の体験談】

今の考え方
感情の波が激しいことは、今もゼロにはなっていません。でも、「怒っているときは話しかけない、波が引いてから受け取る」というリズムができてきてから、我が家の雰囲気はずいぶん変わりました。
親のほうも感情的にならずに済む場面が増えて、怒りの連鎖が減った気がしています。完璧にはほど遠いですが、少しずつ積み重ねているところです。
よくある質問
感情のコントロールは成長とともに改善しますか?
個人差がありますが、療育や経験の積み重ねで少しずつ「感情を落ち着かせる力」が育っていく子も多いようです。我が家でも療育で感情コントロールの練習を続けています。焦らず関わることが大切だと感じています。
怒りのスイッチが入ったとき、安全を確保するにはどうすればいいですか?
まず物が飛んできたり自傷につながりそうなものを遠ざけて、安全な空間を作ることを優先しています。その上で、少し距離を置いて波が引くのを待つようにしています。
親のほうが感情的になってしまったときはどうすればいいですか?
正直、我が家でも何度もありました。後から「ごめんね」と伝えること、それだけでも十分だと思っています。完璧な対応よりも、関係を修復することの方が大切だと今は感じています。
まとめ
「癇癪がひどい」という言葉の裏に、感情の波を自分でコントロールすることが難しいという特性がありました。怒りのピーク中は言葉が届かない、波が引いてから受け取る——そのリズムを覚えてから、少しだけ楽になりました。
まだ途中ですが、嵐が来ても一緒に乗り越えながら、今日もやっています。同じように悩んでいる方の、少しでもヒントになればうれしいです。


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