「ダメって言ってるのに、なんで止まらないの……」
駐車場で急に走り出す。順番を待てずに割り込んでしまう。触ってはいけないものに触る。「ダメ」と声をかけても、なかなかやめられない——
こういった場面を繰り返し経験してきました。最初は「言うことを聞かない子」と思っていたのですが、これが「衝動性」という特性だと理解してから、少しだけ気持ちが楽になりました。
この記事では、衝動性とはどういうものか、我が家での具体的なエピソード、そして父親として理解してきたことを書いています。
私について
ADHD/ASDと診断された5歳の子どもを育てている父親です。専門医への相談、田中ビネー知能検査、週3回の民間療育への通所など、いろいろな経験をしてきました。このブログでは、専門家としてではなく、実際に迷いながら進んできた父親として書いています。
この記事でわかること
- 「衝動性」とはどういう状態か、我が家の体験
- なぜ考える前に動いてしまうのか、特性としての背景
- 声かけ以外にできることのヒント
我が家で起きていた場面
① 急に走り出す・飛び出す
外出先で一番ヒヤッとするのが、これです。呼んでいないのに急に走り出す。駐車場や道路でも関係なく、気になるものがあれば体が先に動いてしまう。
「危ない!」と叫んでも、止まるのは一瞬だけで、また動き出すことも多くありました。危険な場面は一度や二度ではなく、外出のたびに緊張していた時期があります。外出時の対応については、こちらの記事にも書いています。
→ 外で急に走り出しそうなとき、父親が意識していること【体験談】
② 順番が待てない・割り込んでしまう
列に並んでいると割り込んでしまう、他の子が使っているおもちゃに手が伸びてしまう——そういう場面も多くありました。本人に悪気がないのは分かっているのですが、相手の子やきょうだいとのトラブルになることもあって、親としてフォローに追われる場面も多かったです。
③ 「ダメ」と言われてもやめられない・触ってはいけないものに触る
触ってはいけないと分かっているものでも、気になれば手が出てしまう。「ダメ」と言っても一瞬止まるだけで、またすぐ同じことをする。
何度も同じことを繰り返していると、こちらもだんだんと疲弊してきます。「なんで分からないんだろう」と思ったこともありました。でも、「分かっているのにやめられない」のが衝動性の特徴だと後から理解しました。

衝動性ってなに?特性としての背景
衝動性とは、「考える前に体や言葉が動いてしまう」状態のことです。ADHDの代表的な特性のひとつで、脳の「ブレーキ」の働きが弱いイメージで説明されることがあります。
定型発達の大人でも「つい口が滑った」「思わず手が出た」という経験はあると思います。衝動性のある子どもは、そのブレーキがかかりにくい状態が日常的に続いているイメージです。
「やってはいけない」と頭では分かっている。でも、体が先に動いてしまう。——悪意や反抗ではなく、脳の特性として起きていることだと理解すると、対応の方向も少し変わってきます。
子どもの行動の背景にある意味については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 子どもの行動には意味がある?説明後に父親の見方が変わった話
うまくいかなかったこと
声かけだけで止めようとしても、その場では効果があっても同じことがまた起きる、という繰り返しでした。「何回言えば分かるの」と思ったことも正直あります。
叱れば直るかと思って厳しく言った時期もあったのですが、子どもも萎縮するだけで、衝動性自体は変わりませんでした。衝動性は「気合い」や「叱り」でどうにかなるものではないと、少しずつ理解していきました。
今やっていること:声かけ+環境を整える
今も声かけは続けています。ただ、声かけだけに頼るのではなく、そもそも衝動が出にくい環境を作ることを意識するようになりました。
危ない場所では手をつなぐ、触ってほしくないものは視界に入れない、危険なものはあらかじめ遠ざけておく——事前に環境を整えておくと、「ダメ!」と叫ぶ場面自体が減りました。
また、保育園でも同じ傾向が見られて先生から話があったことで、「家だけの問題じゃない」と改めて実感し、療育の先生にも相談するようになりました。専門家に相談することで、家でできる対応のヒントがもらえたのも大きかったです。

今の考え方
衝動性は、「しつけが足りない」でも「親の育て方が悪い」でもないと今は思っています。脳の特性として起きていることで、声かけや叱責だけで完全になくすことは難しい。
それよりも、衝動が出やすい場面を減らす工夫と、出てしまったときに安全でいられる環境を作ることの方が、親子ともにラクになると感じています。まだ試行錯誤中ですが、以前よりも「ヒヤッとする回数」は減ってきた気がします。
よくある質問
衝動性は成長とともに落ち着きますか?
個人差がありますが、成長や療育の積み重ねで少しずつ「待てる力」がついていく子も多いようです。脳の発達とともにブレーキの機能も育っていくと言われているので、焦りすぎず関わっていくことが大切だと感じています。
外出先での飛び出しが怖いのですが、どうすればいいですか?
我が家では手をつなぐ、ハーネスを使う、危ない場所では先回りして動線をふさぐ、などを組み合わせています。詳しくはこちらの記事にまとめています。
→ 外で急に走り出しそうなとき、父親が意識していること【体験談】
専門家への相談はどこにすればいいですか?
まずはかかりつけの小児科や、お住まいの地域の発達相談窓口が入口になります。相談の流れについては、こちらの記事も参考にどうぞ。
→ 子どもの発達が気になったらどうする?最初の相談先と父親の体験談
まとめ
「考える前に動いてしまう」衝動性は、意地悪でも反抗でもなく、脳の特性から来ているものだと今は理解しています。何度も同じことが起きると親も疲弊しますが、叱って直るものではないと気づいてから、対応の仕方が少し変わりました。
声かけしながら、環境を整えながら、今日もなんとかやっています。同じように悩んでいる方の、少しでもヒントになればうれしいです。


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