乳幼児期の「困った」が感覚特性だったと後から気づいた話

成長した子あざらしを見守る父あざらしと、背景に薄く重なる赤ちゃん時代のシルエット 発達特性を知る

先日、自分のサイトに置いてある感覚過敏・鈍麻のチェックリストを、あらためて息子でやってみました。

結果は「問題なし」。

でも、正直なところ、少し複雑な気持ちになりました。今は当時ほどではない。けれど「まったく問題ない」と言い切れるかというと、そこまでの確信もない。そして赤ちゃんの頃から数年間は、明らかに「そういうところ」がありました。

同じように「チェックしたら問題なしだったけれど、なんとなく引っかかっている」という方に、うちの経過を書いておきます。

今は「問題なし」。でも当時は違った

息子は5歳・年長で、ADHD/ASDの診断を受けています。療育には週3回通っています。

感覚面については、今の時点で日常生活に大きな支障はありません。服も普通に着るし、以前ほど音を怖がることもない。食事も、昔よりずいぶん幅が広がりました。

ただ、「まったくない」と言い切るつもりもありません。場面によっては、今も少し出ているのかもしれないと思うことはあります。ただ、当時と比べれば全然違う、という程度の話です。

そして0〜4歳くらいまでを思い返すと、当てはまることがいくつもありました。

振り返ると当てはまっていたこと

哺乳瓶を一切受け付けなかった

これはかなり困りました。母乳しか飲まない。哺乳瓶を近づけただけで拒否する。

いろいろな乳首を試しましたが、どれもダメでした。結果として、授乳がすべて母親に集中することになり、こちらは代われませんでした。

当時は「好みがはっきりしてるな」くらいに思っていましたが、口の中の感覚に敏感だったのかもしれない、と今は思います。

夜中に何度も起きた

当時住んでいた家は、大通りのすぐ近くでした。

夜中に何度も起きる。トラックが通る音や、救急車のサイレンで目を覚ますことも多かったです。0〜2歳ごろは特に顕著でした。

引っ越しや成長とともに落ち着いていったので、環境音への敏感さがあったんだろうと思っています。

歯磨きと爪切りは毎回格闘だった

これがいちばん大変だったかもしれません。

歯ブラシを口に入れるのを極端に嫌がる。爪切りも同じで、押さえつけないと切れない時期がありました。

どちらも「じっとしていられないから」だと思っていましたが、口の中や指先を触られる感覚そのものが苦手だったのかもしれません。

食べるものが限られていた

白いご飯に塩、というのがずっと定番でした。

味というより、食感や見た目で決めていた感じがあります。混ざっているもの、初めて見るものは、口に入れる前の段階で拒否されました。

それでも「育て方のせい」とは思わなかった

ここは書いておきたいところです。

大変ではありました。でも当時、自分の育て方が悪いとは思いませんでした。

「そういう個性なんだな」くらいの受け止め方でした。困ってはいたけれど、自分を責める方向にはいかなかった。

これはたまたまそういう性格だったというだけかもしれません。でも、もし今しんどい思いをしている方がいるなら、**「困っている」と「自分が悪い」は分けて考えていい**とは思います。

「あのとき理由がわかっていれば」と思うこと

正直に言うと、当時に戻れるなら、知っておきたかったことがあります。

**それが感覚の問題かもしれない、という発想があれば、対応が違っていた**と思うんです。

たとえば歯磨き。「じっとしていられない子」だと思っていたので、押さえて素早く済ませようとしていました。でも感覚の敏感さが理由なら、力ずくは逆効果です。

短時間から慣らす、道具を変える、本人に持たせてみる。そういう選択肢があると知っていれば、お互いにもっと楽だったかもしれません。

発達特性のある子の感覚の特徴については、国立障害者リハビリテーションセンターのサイトでも解説されています。当時これを読んでいたら、と思うことがあります。

感覚の特性は、変わっていくことがある

うちの経過を並べると、こうなります。

– 0〜2歳ごろ:音への敏感さが強い、哺乳瓶拒否
– 2〜4歳ごろ:歯磨き・爪切りの拒否、食べ物のこだわり
– 5歳(現在):チェックリストでは問題なしと出る

**同じ子でも、時期によって出方が違いました。**

強く出ていた時期があって、そこから目立たなくなっていった。完全になくなったのか、それとも本人が対処できるようになっただけなのかは、正直わかりません。専門家ではないので断言もできません。

ただ、うちの場合は「ずっと同じ強さで続いたわけではなかった」とは言えます。

だから、今まさに大変な時期にいる方には、「この状態がこのまま一生続くとは限らない」ということは伝えたいです。

チェックリストで「問題なし」と出たときの受け止め方

チェックリストは、**今の状態を見るもの**です。過去は測れません。

だから、

– 今は問題なしでも、以前は違ったということはあり得る
– 逆に、今は大変でも、あとから落ち着くこともあり得る

というのが、うちを見ていて思うことです。

「問題なし」と出たからといって、これまでの大変さがなかったことになるわけではないし、気のせいだったということでもないと思います。

うちで使っているチェックリストは感覚過敏・鈍麻セルフチェックに置いてあります。聴覚・視覚・触覚・嗅覚と味覚・前庭覚・固有覚の6領域を、年齢帯に合わせた質問で確認できます。診断ではありませんが、気になる部分を整理する材料にはなると思います。

FAQ

感覚過敏は成長すると治りますか?

「治る」という表現が正しいかはわかりません。うちの場合は、時期によって出方が変わり、今は当時ほど目立ちません。ただ、完全になくなったのか、本人が対処できるようになっただけなのかは判断できていません。個人差が大きい部分なので、うちのケースがそのまま当てはまるとは限らないと思います。

チェックリストで問題なしでも相談していいですか?

いいと思います。チェックリストは診断ではありませんし、気になることがあるなら専門家に聞いた方が早いです。うちも「これは特性なのか個性なのか」を自分たちで判断しきれず、相談してから道が開けました。

感覚過敏と感覚鈍麻はどう違いますか?

過敏は刺激に対して反応が強すぎる状態、鈍麻は反応が弱い、または気づきにくい状態を指します。同じ子の中で、領域によって過敏と鈍麻が混在することもあります。

いつから気にし始めればいいですか?

「気になったとき」でいいと思います。うちは1歳半ごろから違和感があり、3歳児健診をきっかけに相談しました。早すぎて困ることはあまりないと感じています。

相談に行くとき、何を持っていけばいいですか?

困っている場面を具体的にメモしておくと話が早いです。いつ・どんな状況で・どう反応したか。うちは口頭で説明しようとしてうまくいかなかったので、書いて持っていく形に変えました。

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まとめ

感覚のチェックリストで「問題なし」と出ても、それまでの大変さが否定されるわけではありません。

うちの場合、哺乳瓶拒否・夜中の覚醒・歯磨きと爪切りの拒否・食べ物のこだわりが、0〜4歳ごろに次々とありました。当時は「そういう個性」だと思っていましたが、今振り返ると感覚の特性だったのかもしれないと思っています。

そして今は、チェックリストでは問題なしと出るところまできました。完全になくなったのかどうかは、正直わかりません。でも当時とは全然違います。

大変な時期の渦中にいると、これがずっと続くように感じます。でも、変わっていくこともある。うちのケースがそのまま当てはまるとは限りませんが、そういう経過もあるということは書いておきたいと思いました。

🔍 あわせて使えるツール

感覚過敏・鈍麻セルフチェック|6つの感覚領域を42問で確認できます

ASDセルフチェック|こだわり・感覚の傾向を確認できます

声かけ変換ツール|NGな声かけをOKに変換できます

この記事を書いた人
あざらし先輩

30代後半・会社員パパ。ADHD/ASD特性を持つ5歳の子と奮闘中。専門医への相談・知能検査・週3の療育通所など、診断から支援まで経験してきた「ちょっと先を歩く先輩」として、同じ悩みを持つ親にリアルな情報を届けます。

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