「なんでこのルートじゃないとダメなの?」「また同じ動画……」「薄味しか食べない」——
うちの子のこだわりは、気づけば1〜2歳のころから始まっていました。当時はまだ「こだわりが強い子なのかな」くらいにしか思っていなかったのですが、ADHD/ASDの診断を経て、これが特性のひとつだったと理解するまでに少し時間がかかりました。
この記事では、我が家で実際にあったこだわりのエピソードと、「なぜこだわるのか」という背景について、父親として理解してきたことを書いています。
私について
ADHD/ASDと診断された5歳の子どもを育てている父親です。専門医への相談、田中ビネー知能検査、週3回の民間療育への通所など、いろいろな経験をしてきました。このブログでは、専門家としてではなく、実際に迷いながら進んできた父親として書いています。
この記事でわかること
- こだわりが強い子どもの具体的なエピソード(我が家の場合)
- なぜこだわるのか、特性としての背景
- 親としての気持ちの変化と、今の関わり方
我が家のこだわり、3つのエピソード
① 赤ちゃんのころ:哺乳瓶を全く受け付けなかった
今振り返ると、こだわりの最初のサインは哺乳瓶だったかもしれません。どの哺乳瓶を試しても全く飲んでくれなくて、当時はただただ困っていました。
「乳首の感触が嫌なのかな」「温度の問題?」といろいろ試したのですが、うまくいかず。後から思えば、感覚へのこだわりがすでにその頃から出ていたのかもしれないと感じています。
② 食事:薄味しか受け付けない
食事では「薄味」へのこだわりが強く出ています。味が濃いと感じると「食べれない……」と困った顔で残してしまう。無理に食べさせようとするわけでもなく、怒るわけでもないのですが、残念そうに困るあの表情が印象に残っています。
食感のこだわりと合わせて、食事まわりはなかなか一筋縄ではいかないなと感じることが多いです。食感についての体験は、こちらの記事にも書いています。
→ 感覚過敏ってどういうこと?食感が苦手な子どもの話【父親の体験談】
③ Amazon Kidsタブレット:やり続けたい、終わりたくない
タブレットへのこだわりも強いです。決めた時間が終わると「もうちょっとだけやらせて〜」と何度もお願いしてくる。普段は比較的穏やかにお願いしてくるのですが、どうしてもできないときは怒りに変わることもあります。
我が家では利用できる時間をあらかじめ設定しているのですが、それでも「終わり」を受け入れるまでに時間がかかることは今でもあります。「見通し」の難しさとも重なる部分だなと感じています。

なぜこだわるのか:特性としての背景
療育や専門医への相談を通じて少しずつ理解してきたのですが、ADHD/ASDの子どものこだわりは、「安心できるパターンを守ろうとする」ことから来ているケースが多いようです。
いつもと同じ順番、同じ味、同じ流れ——それが「安全」だと脳が判断しているイメージです。逆に言えば、パターンが崩れることは、その子にとって小さくない脅威として感じられることがある。
「わがまま」や「頑固」ではなく、自分なりの安心を守ろうとしている——そう考えると、こだわりへの見え方が少し変わりました。子どもの行動の背景にある意味については、こちらも参考になるかもしれません。
→ 子どもの行動には意味がある?説明後に父親の見方が変わった話
うまくいかなかったこと
「なんでそんなにこだわるの?」と正面から問いただしても、うまくいきませんでした。こちらが理由を説明しても、こだわりの最中には言葉がなかなか届かない。
また、「少し我慢できるようになってほしい」という気持ちで無理に切り上げさせようとすると、余計に時間がかかる場面も多くありました。こだわりに真正面からぶつかっても消耗するだけだと、少しずつ学んでいった気がします。
うまくいったこと:ルールを「先に」決める
タブレットについては、使える時間を事前にルールとして決めておくことで、終わりの受け入れがずいぶんスムーズになりました。「今日は何分ね」と始める前に伝えておくのがポイントで、突然「もう終わり」と言うより崩れにくいと感じています。
食事の薄味こだわりについては、今は無理に濃い味に慣れさせようとしない方針にしています。薄味で作れるメニューを増やす方向で対応していて、食事の場がおだやかになりました。
「こだわりをなくす」より「こだわりと折り合いをつける」方が、親子ともにラクだと今は感じています。

今の考え方
こだわりは、なくすものじゃないのかもしれないと思い始めています。本人にとっての「安心のしくみ」である以上、それを力で壊そうとしても関係が悪くなるだけで、あまりいいことがない気がしています。
もちろん、社会の中で生きていくうえで少しずつ柔軟になっていってほしいという気持ちはあります。でも今は、こだわりを「敵」にしないことを意識しています。どうしても困る場面だけルールを決めて、それ以外はなるべく受け入れる。そのくらいのバランスで今はやっています。
よくある質問
こだわりは成長とともに薄れますか?
個人差があります。療育や経験の積み重ねで、少しずつ柔軟になっていく子もいるようです。「なくす」よりも「折り合いをつける力をつける」という方向で支援していくことが多いと、療育の先生に教えてもらいました。
こだわりへの対応で気をつけることはありますか?
こだわりの最中に正面からぶつかると、余計に時間がかかることが多い印象です。「終わりのルールを先に決める」「代替案を用意する」など、事前の準備が効きやすいと感じています。
専門家に相談するべきですか?
こだわりが強くて日常生活に支障が出ている、本人も親も疲弊しているという場合は、一度相談してみると見え方が変わることがあります。相談の流れについてはこちらの記事も参考にどうぞ。
→ 子どもの発達が気になったらどうする?最初の相談先と父親の体験談
まとめ
哺乳瓶から始まり、薄味へのこだわり、タブレット——振り返ってみると、こだわりはずっと一緒にありました。「わがまま」と思っていた行動の背景に、安心を守ろうとする特性があったと知ってから、少しだけ気持ちが楽になりました。
完全になくすことはできないかもしれないけれど、うまく折り合いをつけながら、今日も一緒にやっています。同じように悩んでいる方の、何かヒントになればうれしいです。


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